主婦ならずとも毎日料理を作る人の悩みの一つが「台所の掃除」です。
食材や調味料がこぼれたり、油が跳ねたりとどこも汚さずに料理をするのは至難の業です。
今はIHヒーターが普及しているので、調理場所としての掃除は大分楽にはなりましたが、まだまだガスコンロを使用している人も多いのが現状です。
もちろん一回一回料理をした後に掃除をすれば、ひどい汚れにはならないのですが、「毎日」となるとなかなか骨が折れる場所の一つといえます。
大抵の人はサッと布巾で拭いて、食後の食器を洗う程度ではないでしょうか。
拭くだけでも簡単な汚れなどはとれますが、時間が経ってベトベトにこびりついた油汚れの換気扇や、ヌメヌメしている排水溝などは、いざ掃除をしようと思っていても気分が滅入ってしまう場所でもあります。
そんな面倒な換気扇や排水溝の掃除を、実は誰でも簡単にできる事をご存知ですか?
ここでは台所の嫌いな掃除ワースト1位と2位の、換気扇と排水溝の掃除方法をご紹介します。
台所の掃除で面倒な場所!第1位は圧倒的に「換気扇」
台所の掃除で一番面倒で苦労する場所が、換気扇です。
身に覚えのある方も多いと思いますが、高い場所にある上に油まみれの汚れをとるのが本当に面倒な場所です。
しかも料理をする度に掃除をするというのも難しい場所なので、つい長い間放置してしまいがちです。
気が付いた時には、油汚れでベトベトに・・・なんて経験をしている人も多いのではないでしょうか。
昔のようなプロペラ型で羽がむき出しのタイプの換気扇は、簡単に取り外しができるので掃除も比較的楽にできるのですが、今は一般家庭の台所でも大型の換気扇としてレンジフードが備え付けられている事も多く、掃除に苦労しているという人も多いです。
ちなみにレンジフードとは、フードと呼ばれるステンレス製などの覆いと換気扇が組み合わさったコンロ上部に設置される排気設備の事です。
一般家庭の台所で使用される換気扇は、主にレンジフードなどの
- 「シロッコファン」
- 「プロペラファン」
この2つです。
シロッコファンとは多翼送風機の事で、多数の幅の細い羽がドラム状になって回転する風に影響されにくいファンの事です。
それではそれぞれの掃除方法をご紹介します。
レンジフードや換気扇の種類
レンジフードは見た目が大きくファンが見えないため、一見どうやって取り外すのかわからないなど、いざ掃除をしようと思った時に困っている人も多く、結局「後で」が「放置」となって時間が経ってしまうなんて事も少なくありません。
そうならない為にもレンジフードの特徴を知り、簡単にいつでも掃除ができるようになっておくと便利なのでご紹介します。
家庭用レンジフードや換気扇は主に3種類あります。
- スリム型・・・整流板(レンジフードの底部に取り付けられている板)が付いているシロッコファンタイプの換気扇
- ブーツ型・・・整流板があるタイプとないタイプがあり深型で、網状のフィルターで覆われた換気扇(シロッコファンとプロペラファンがあります)
- プロペラファン・・・その名の通り、プロペラが表面にむき出しになっているファンタイプの換気扇
大抵の家庭では、主にこれらの換気扇が取り付けられていますので、換気扇の外し方や掃除方法をご紹介します。
レンジフードや換気扇のパーツを外して掃除をしよう
まず先にもお話したように、スリム型のレンジフードはシロッコファンが付いていて、これが回り換気の役目を果たしています。
深型の換気扇も同じく、パーツを外して掃除をします。
台所の広さや家の構造によって、レンジフードの大きさや形が違いますので、取扱説明書などで確認してください。
スリム型のレンジフードには整流板が付いているので、まずはそれを外します。
一つ注意事項として、当たり前ですが危ないので電源を切る、またはブレーカーを落としてから作業しましょう。
例として、一つご紹介します。
- 整流板の左右にあるストッパーを押しながら、少し上に押し上げ手前にゆっくりとおろした状態で、整流板の奥を少し持ち上げ外す。
- 整流板を外すとフィルターがあるので、少しずらして取り外します。
- ファンが止まっている事を確認し、ベルマウスとよばれる環状の板をネジが付いている場合は外し、爪が付いている場合はベルマウスをスライドさせて取り外します。
- シロッコファンがあるので、固定している中央のネジを「ゆるむ」の方向へ回して外し、ファンを取り出します。
文字にすると面倒くさく感じますが、実際にやってみると実は意外に簡単で誰でもできるので、是非自分の手でやってみて覚えてください。
レンジフードや換気扇のフィルターの掃除方法
全てのパーツを外したらいざ掃除の開始ですが、まずはフィルターから始めます。
掃除をする為の道具を用意しましょう。
- 油汚れ用洗剤(油汚れを落とすには「アルカリ性洗剤」がおススメです!)
- ゴム手袋かビニール手袋
- マスク
- 使い古しの歯ブラシなど細かい場所を擦るブラシ
- 新聞紙
- スポンジ
- 大きめのビニール袋か大きめのバケツ
手順は次のとおりです。
- まずマスクと手袋を着用し、油汚れが飛び散らないように下に新聞紙を敷きます。
- その上でフィルターに油用洗剤をまんべんなく吹きかけ、しばらく放置します。(洗剤が油を浮き上がらせるまで5分~10分程度)
- 油汚れは「酸性」なので、アルカリ性で中和でき汚れを浮き上がらせます。
- 油汚れが浮き上がってきたら、歯ブラシで擦り取ります。(長期間の油汚れはフィルターの目地に詰まり隙間がなくなり十分な換気ができないので、ブラシでよく擦り取ります)
- 擦り取ったらお湯で洗い流します。(お湯の方が油を溶かし流せるため)
換気扇のパーツを外してみて、あまりにも油汚れがこびりついているようなら、市販の洗剤では落ちにくいので業務用洗剤を使いましょう。(今はホームセンターなどでも手に入るのでチェックしてみてください)
シロッコファンやプロペラファンの掃除用洗剤
シロッコファンには羽が付いており、一番重要で細かく面倒な部分です。
最近は台所の掃除によく使われる「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」ですが、重曹よりもセスキ炭酸ソーダの方がアルカリ性がより強いので、頑固な油汚れにはセスキ炭酸ソーダの方を使用します。
もちろん、油汚れ用洗剤でも構いませんので、汚れが酷い時はガーゼやティッシュで洗剤を付けたまま多いしばらくつけ置きしましょう。
シロッコファンとプロペラファンの掃除方法
まず外したファンにどれくらいの汚れが付いているのか確認します。
もし簡単に落ちそうにない油汚れがびっしりとこびりついていた時は、「ドライヤー」を使います。
油は熱で溶けるので、新聞紙などを敷いた上でドライヤーをあてると、ベトベトの油汚れがどんどん溶けてきます。
それから掃除をした方が手間と時間を短縮できます。
アルカリ性洗剤やセスキ炭酸ソーダを使用し、シロッコファンやプロペラファンが入る大きめのバケツに入れ、洗剤と少し熱めのお湯(40~60℃くらい)でつけ置きします。
油汚れが浮き上がって取れてきたら、洗い流します。
汚れがなかなか落ちない場合は再度つけ置きし、洗いましょう。
汚れがキレイに取れたら、また元の場所に取り付けます。
やってみると意外と簡単に誰でもできるので、台所の掃除をする時は拭き掃除をする前に、先にレンジフードや換気扇を外してから他の場所を掃除すると良いです。
一人でもできますが、高い場所の掃除でもあるので二人いれば尚良いでしょう。
台所の掃除で面倒な場所!第2位は「排水溝」
台所の掃除で面倒で嫌な場所と言えば、換気扇に次いでやはりあのヌメヌメした感じと嫌なニオイがする「排水溝」です。
排水溝は換気扇よりも掃除がしやすい場所でもあるので、毎日掃除をしようと思えばできますし、実際に毎日キレイに掃除をしている人は沢山います。
ですが台所はよく行く場所の一つですし、「ちょっとくらい」放置しておいてもいつでもできる、という感覚から忘れがちになる事も多いです。
特に夏場は生ごみを放置すると、ニオイはもちろんのこと虫がわいたりしたら最悪です。
換気扇と違って、「いつでもできるから」がヌメヌメになる発端です。
食器を洗うついでに、最後に流れた生ごみや野菜くずを拾うだけでも全然違うので、面倒くさがらずにまずはゴミを拾う事から始めましょう。
排水溝のニオイやヌメリの原因
そもそもこのヌメリやニオイはなぜできるのでしょうか?
その原因は食後に出た食べカスや、調理の際に出た野菜くずなどが排水溝に流れたまま長時間放置される事でできます。
放置した生ごみから菌が発生し、更なる放置で排水溝という場所柄、湿度があるのでどんどん菌が繁殖していき、その結果ニオイを発します。
更に食後の皿洗いの際や、調理の際に流れてしまった油もヌメリの原因となっていて、酷くなると排水溝が詰まってしまう可能性もあります。
排水溝が詰まると大変なので、そうなる前に手を打っておきましょう。
次では排水溝の掃除の仕方を、2パターンでご紹介します。
台所の排水溝を掃除する方法【市販の洗剤の場合】
まず台所の排水溝を掃除する時に必要な道具を用意します。
- ゴム手袋
- スポンジ
- 使い古した歯ブラシ
- 台所用の中性洗剤
手順は次のとおりです。
- まずは排水溝のカバーを外し、中のゴミ受けに溜まったゴミを捨てます。
- ゴミ受けの下にトラップカバーがあればそれも外します。
- 歯ブラシに洗剤を付け、ゴミ受けの編み目やヌメリが詰まっている所を擦り取ります。
- スポンジにも洗剤を付け、最初に外したカバーやゴミ受けを洗います。
- 排水溝の穴の周りにもヌメリやカビなどが付いているので、スポンジで擦り取りスポンジで取れない部分は歯ブラシで擦り取ります。
- 汚れを水やお湯で洗い流して元に戻す。
今は100円均一やホームセンターなどで、先がL字に曲がった掃除用のブラシやU字のブラシなど便利なグッズが簡単に手に入るので、一つ持っていると重宝します。
是非チェックしてみてください。
時間もあまりかからず誰でもできる簡単な作業なので、排水溝が詰まってしまう前に早めに掃除をしましょう。
台所の排水溝を掃除する方法【お酢と重曹を使った場合】
最近では当たり前に掃除用具として誰もが活用しているのが「重曹」です。
それにどこの家庭にも必ずある「お酢」を加える事で更にキレイに掃除ができます。
簡単で誰でもできるので是非やってみましょう。
- まずは排水溝のカバーを外し、中のゴミ受けに溜まったゴミを捨てます。
- ゴミ受けの下にトラップカバーがあればそれも外します。
- ゴミ受けと外したカバーに重曹をふりかけ、歯ブラシでヌメリや汚れを擦り取ります。
- 排水溝の中に重曹を底が見えなくなるくらいたっぷり入れ、その上からお酢をかけます。
- お酢をかけたらシュワシュワとしてくるので、汚れが取れるまでしばらくの間(10~20分程度)、時間をおきます。(汚れが酷い時は、もう少し時間をおきます)
- ふりかけた重曹が残らないように、お湯で洗い流します。
お酢のニオイが嫌な人は、「クエン酸」を使用すると同じ効果があります。(スーパーや100円均一でも販売しているので手軽に手に入ります)
しかも台所だけではなく、浴室や洗面台などの水回りに使えるので、どちらも一つは持っておくととても重宝するので是非手に入れておきましょう。
台所の掃除は意外に簡単にできる
毎日こまめに掃除をする事は、仕事や育児をしている人にとってはとても大変な事です。
部屋の掃除だけでも大変なのに、台所もとなるとかなりの重労働です。
特に油汚れは料理をする際によく使うものなので、すぐに拭かないと蓄積するので「手をつけたくない場所」の一つになってしまいます。
慣れてしまえば簡単なのですが、換気扇は高い場所にあるうえ、パーツを取り外すのに苦労している人も多いのがこのワースト1位をキープする原因となっています。
自分でやりたくないからといって業者さんへクリーニングを頼むと、汚れ具合によっては結構な金額になる事もあり、痛い目にあう事もしばしばあります。
そうならない為にも汚れを「溜め込まない」のが一番なのですが、もし溜め込んでしまった時は是非こちらの方法を試してみてください。
キレイになった台所で美味しい料理を作りましょう。
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